口より手が出る人って治らないのか

もう万策尽きたから移住しようと決めたまでの流れと今後

息子にした最低な仕打ちと、息子からかけられた言葉。

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八年前、

 

4歳の息子と2歳の娘と0歳の娘と、家族5人で東京へ。

仕事の仕入れがメインでしたが、せっかくだし二日目はディズニーランドに行きました。

 

一日中歩いて歩いて歩いて。

 

お昼、

ランド内のお店で、旦那が息子にトニーラマの赤いウエスタンブーツを買いました。

真っ赤で小さくて、息子によく似合った小さなブーツ。

 

「トニーラマ」なんて聞いたこともなかったけど

「トニーラマやで。子供用のあるん知らんかったわ~」言うてようわからん興奮する旦那が大枚はたいて買ってました。

 

夜になり、ホテルに着くころにはフラフラで、

順番にお風呂に入れて、上がると旦那はもう寝ています。

いつものことですが。

 

夜中、0歳の娘がずっと泣いていて、

眠たくて眠たくて限界・・・と思いながら授乳したりオムツ替えたり。

 

そしたら息子も しくしく泣きながら目を覚まし、

「かあちゃん、足いたい。足もんで。」って。

 

いつも足が痛くなると寝るまでもんであげてたので、

今日も足が痛いからもんで、って。

 

「母ちゃん今赤ちゃんにおっぱいしてて無理やねん。今日は母ちゃんも疲れたから寝て。」とわたしは言ったんです。

駄々をこねる子ではなかったので、

そのまま布団にもぐって入ったし、

ああ、寝てくれるかな、と思いました。

 

五分もしないうちにまた

「かあちゃん、足いたい。足もんで。」と息子は言いました。

その声に、寝かけていた娘が起きて、また大きな声で泣き出して、

やっと寝れると思っていたわたしは大きな声で

「今日は寝て」

って言いました。

 

もっと大きな声で

「母ちゃん疲れてんねん。寝て」

と言いました。

 

その声で旦那が起きました。

 

疲れた顔のわたしと、泣き叫ぶ娘と、

涙を流してわたしにひっついてる4歳の息子を見て

旦那はいきなり息子をつかみ、壁に投げ飛ばしました。

 

本当のことを言うと、旦那を起こしたかったんだと思います。

同じだけ疲れてるのになんでわたしだけ。

なんで自分はスヤスヤ寝てるんや、起きてよ、起きて手伝ってよ、という気持ちがありました。

だから大きな声をわざと息子に出したんです。

 

壁に投げられ、すごい音がしました。

うっうっと泣く息子をつかみ、「お前なに母ちゃんの邪魔してんねん」と旦那は言いました。

「足が痛いんだって。もんでって言って起きてきたん」とわたしが言うと

旦那は息子を床に立たせ、

「ここか?ここか?」と息子の足をグイグイ押しました。

 

息子は必死で泣くのをこらえながら

「ごめんなさい。ごめんなさい。」と言いました。

 

 

 

 

書きながら、自分のおろかさに震えます。

こんな母親。

なんの価値もない。

 

 

もう息子は何も聞こえてなかったと思います。

ただ、怒る父親

「はい!ごめんなさい! はい!ごめんなさい!」を繰り返していました。

 

見て見ぬふりをしました。

自分が寝るために。

 

4歳です。

どれだけ怖かったか。

どれだけ足が痛かったか。

どれだけ我慢したか。

 

 

なれない靴を履いて、夜中に突然痛くなったわけじゃないはず。

我慢できるかな、もうすこし我慢できるかな、って

彼の限界まで

我慢して我慢して、

でもやっぱり痛くて

母ちゃんにそっと言ったのに。

 

怒られたら「はい!」って言うこと、

怒られたら「ごめんなさい!」って言うこと

 

4歳にさせてはいけない。

 

 

暴力で物事を解決しようとする旦那が嫌でしかたないのに

わたしがしてることはじゃあなんなの。

最低な自分。

 

 

息子が11歳になったとき、

これを話して謝りました。

途中で話せなくなるほど涙が出てじっと見つめるしかできなかったけど

 

向かいで静かに聞いてた息子はヒヒヒと笑って

「覚えてへんわー」って言いました。

 

それから

「覚えてへんよ。覚えてへんってことは、なかったことと一緒やで、母ちゃん。」

って笑いました。

 

 

自分の恥ずかしい行いを一生忘れたくありません。

 

 

小さな赤いトニーラマを見るたび、旦那は

「やっぱり可愛いなこれ。あいつによう似ってたな」と微笑みます。

 

 

わたしはこのブーツを見るたび、親指をぎゅっとにぎりしめて涙をこらえながら

ホテルの床に必死で立つ、4歳の息子が見えます。